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トレンドラインを使用した分析手法とは?
概要
トレンドラインは、株式や為替市場における相場の方向性を把握するためのシンプルな分析手法です。トレンドラインは、相場の安値や高値を結ぶ線で、上昇トレンド(上昇相場)や下降トレンド(下降相場)を視覚的に理解するのに役立ちます。
トレンドラインを使用することで、市場の方向性を理解し、投資タイミングを適切に判断することが可能になります。また、トレンドラインは、損切りポイントや利益確定ポイントを決める際の参考にもなります。
トレンドラインを活用する際に起こる問題
主観的な判断でラインを引いてしまう
トレンドラインを手動で描く際、個人の主観が入ることが避けられません。投資家によって、どのポイントを結ぶべきか、線の角度や位置が異なることがあります。その結果、同じ銘柄や期間でもトレンドの判断が異なる場合があります。
これは投資家の経験やスキルに大きく影響されます。初心者がトレンドラインを描く際に、経験豊富な投資家と同じような正確さで描けるとは限りません。
手間がかかる
相場の状況が変わる度に、トレンドラインの再設定や調整が必要となります。これにより、投資家の負担が増えることがあります。
また、分析対象の銘柄が増えると、その手間は飛躍的に増え、継続的にメンテナンスし同じ基準に基づいた分析をすることは困難になります。
自動生成で問題解決!
仕組み化、自動化にはツール活用が最も良い選択になりますので、
自動でトレンドラインを描画し、継続的に更新するためのインジケーターを開発してみました。
トレンドライン自動生成インジケーターの使い方
イメージ
設定方法
チャートにインジケーターを配置して、パラメータを設定するだけで自動でトレンドラインを生成します。
パラメータは1つのみ、ライン生成時に考慮するバー本数をしていすれば、その期間における長期/短期のトレンドラインを自動生成してくれます。とても簡単ですね。
トレンドライン自動生成インジケーター - 機能
以下のトレンドラインを自動生成します。
- レジスタンスライン(長期)
- レジスタンスライン(短期)
- サポートライン(長期)
- サポートライン(短期)
これらのラインは、バーが更新され波形が変わった場合、自動で再計算を行い再描画します。
一定の基準に基づいて常に最新のラインを描画しますので、主観が入る余地がありませんし、自動更新されるため運用に手間もかかりません。
トレンドライン自動生成インジケーター - 計算方法
大枠の考え方としては、山、谷のレート情報(複数頂点の組み合わせ)を使用して線形回帰直線の切片と傾きを求め、その直線と頂点の誤差を決定係数(R2乗) を用いて計算しつつ、
さらに追加のフィルタ条件を工夫することで、レジスタンスライン、サポートラインとして最もよく機能していると考えられる線を最終候補として描画します。
プラットフォーム
- MT5(インジケーター)
活用方法
トレンドフォロー戦略
トレンドラインを利用して、市場の強いトレンドを検出し、そのトレンドに従ってポジションを持つ戦略です。上昇トレンドラインが形成されている場合、買いポジション(ロング)を取り、下降トレンドラインが形成されている場合、売りポジション(ショート)を取ります。
ブレイクアウト戦略
トレンドラインが破られた時点で、新たなトレンドが始まるという仮定に基づく戦略です。トレンドラインのブレイクアウトを確認したら、ブレイクアウトの方向に従ってポジションを持ちます。
サポート・レジスタンス戦略
トレンドラインをサポート(下支え)とレジスタンス(上抵抗)ラインとして利用します。価格がサポートラインに近づくと買い、レジスタンスラインに近づくと売ります。また、価格がサポート・レジスタンスラインを突破した場合、ブレイクアウト戦略と同様に、突破方向にポジションを持ちます。
EAへの組込み
チャート上にラインを描画していますが、処理の中核はラインの切片と傾きの自動計算になります。
この計算結果を元に、上記のような投資戦略を自動売買ルールの一つに追加することもできそうです。
余談
ALGLIBを使いたいが使えない
線形回帰分析、決定係数計算をMQL5言語で効率よく実装する方法を模索する中で、最初に標準ライブラリとして組み込まれているALGLIB を活用した実装を検討したのですが、最終的に使用を断念しました。
背景をよく調べずに使い始め、実装そのものは容易にできたのですが、開発を終えて諸々の確認をしていたところ、ソースコードに以下の表記が・・・
//| This file is free software; you can redistribute it and/or |
//| modify it under the terms of the GNU General Public License as |
//| published by the Free Software Foundation (www.fsf.org); either |
//| version 2 of the License, or (at your option) any later version. |
//| |
//| This program is distributed in the hope that it will be useful, |
//| but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of |
//| MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the |
//| GNU General Public License for more details. |
//+------------------------------------------------------------------+
MQL5版のALGLIBはGPL v2ライセンスとして扱う必要があることが分かりました。
あたかも標準ライブラリのように組み込まれているため(初期インストールで本ライブラリも付属している)事前確認をしていなかったのですが、甘かったです・・・
GPL(v2)とは
GPL V2(GNU General Public Licenseバージョン2)は、オープンソースのソフトウェアライセンスで、プログラムの自由な利用、変更、および再配布を目的としています。このライセンスは、作成者の著作権を保持しながら、他の人々にソフトウェアを共有、改変、および再配布する権利を与えます。GPL V2の主な特徴は、「コピーレフト」と呼ばれる条件であり、再配布される変更版もGPL V2ライセンスの下で公開されることを要求します。これにより、改変されたソフトウェアが常にオープンソースであることが保証されます。
GPLライセンスを使用して開発したプログラムは、オープンソースの恩恵に預かっているのだから、著作物のソースコードも全て開示せよ という概念に従う必要があります。
ソースコードの流出は知財の流出にもつながることから、できるだけソースコード公開は避けたいため、自社の商用アプリとして配布を行う場合は
GPLライセンスのライブラリの使用は避けなければなりません。
コピーレフトとは
コピーライト(著作権)は著作者が作品に対する独占的な権利を持つことを保証しますが、一方でコピーレフトは著作権法を利用して作品が自由に利用、変更、再配布されることを保証するための戦略です。
Rightは本来"権利"の意味ですが、対義語として"コピーレフト"という表現は直感的で理解しやすい言葉です。
ALGLIBは商用ライセンスもあるが、MQL5版はGPL v2のみ
実際にALGLIB.net宛に問い合わせを行い、本件において商用ライセンスの購入とコピーレフト回避が可能かを照会してみました。
要約すると・・・
- ALGLIBにはコピーレフト版と、商用ライセンス版の2種類が存在する
- ALGLIBは開発言語毎にライセンスが管理されている
- ALGLIB(MQL5)はGPL v2下でのみ提供されている。
- これはMQL5にライブラリを提供する際の条件を協議したものの、商用ライセンス適用について合意に至らなかったことが背景にある
- MQL5ではコピーレフト版のみ使用できる状態になっている
- MQL5版のALGLIBはMQL5開発者によって書かれたものであるため、ALGLIB.netがこのライセンス提供条件の変更を行う立場にない
- ALGLIBを商用利用したい場合は、C++版の商用ラインセスを購入し、MQL5向けのラッパーを自作するしか無い
とのことでした。
ややこしい背景があったようで・・・ MQL5ラッパーから自作する体力もスキルも無いため、別の手段を模索することにしました。
行列計算用のMQL5関数を活用
MQL5には行列計算を行うための関数が提供されています。
内部的にはただのdouble型の配列のようですが、numpyに近い記述をすることが出来るため、普段からpythonを触っているユーザーなら敷居がぐっと下がります。
numpyを使用して線形回帰直線の切片と傾きを導出する方法はナレッジも豊富にありましたので、これを元にMQL5上で線形回帰分析を実装することにしました。
行列関数の提供はMQL5のみ
公式ドキュメントを読む限りではMQL5のみで使用可能(=MQL4では不可)と読めます。(詳細ご存知の方いらっしゃいましたらコメントください)
この辺りもMQL5(=MT5)を使用するメリット(複雑なデータ処理が容易に実装できる=品質の良いツールが開発しやすい)になるかと思います。
まとめ
トレンドラインを自動生成することで、手動で管理する方法と比べて圧倒的に運用が楽になり、トレード自体に集中しやすくなります。
ツールを活用して勝率アップに役立てていただければと思います。
複数のインジケーターを組み合わせて活用しましょう
テクニカル分析の精度を上げるためには、複数の指標を組み合わせながら総合的に評価することが欠かせません。
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まとめ
効率的な投資を実現するためには、仕組み化と自動化が不可欠です。
今後も相場環境の分析に役立つアイデアをまとめ、すぐに使えるツールとしてお届けしていきます。
自動売買ツールによってトレードの自動化が可能ですが、そのEAをいつ起動し、停止するかの判断は個人の判断で行うことになります。
賢くEAを活用するためにも、インジケーターを活用して相場環境の分析にお役立て頂ければ幸いです。